卑屈な人の特徴とは？卑屈な考え方になる《理由》と《対処法》

たまに「あの人、卑屈な人だよね」という言葉を耳にしますね。 まずは「卑屈」という言葉の定義や意味を見てみましょう。 「卑屈」とは、必要以上に自分を低く評価し、いじける様子を意味します。 「卑」という漢字に相手の立場や身分を見下すという意味があり、「屈」という漢字にくじけたり、へりくだるという意味がある2つの漢字を合わせたものが、「卑屈」です。

なぜ、人は卑屈になるのでしょうか。 卑屈な人は、「どう反応したらよいか分からない」と聞き手を困らせることもあります。 卑屈になる背景や理由を見てみましょう。

挫折した経験が多い

赤ちゃんの頃から卑屈な人は存在しません。 生まれてから現在に至るまでの経験の中で成功より、挫折した回数が多い人も卑屈になるといわれています。 挫折経験が多いのは本人の能力が劣っているわけではありません。 両親や先生の影響で身の丈以上の学校や塾で勉強させられたり、自ら理想を高く追求しすぎたなど能力のミスマッチで挫折することがあります。 1度や2度の挫折なら、何とか乗り越えられても何回も重なると「自分は潜在的に劣っている」と深刻に考える要因になるでしょう。 「少しハードルを高くしすぎた」「挫折も次に活かそう!」と客観視できればよいのですが、挫折した事実や回数だけに目を向けてしまい卑屈になるようです。

幼少期のトラウマ

「○○ちゃんは、もうお箸もフォークも使えるのになぜあなたは、まだできないの」「お姉ちゃんは、お勉強もスポーツも1番だったのに…」とやたら同世代や兄妹で比較され、劣っている点を指摘された人も卑屈になる可能性があります。 誰しも成長のスピードや適性、得意不得意は異なるでしょう。 両親が大らかな目で見守ってあげると良いのですが、比較することで個人の成長を促そうとする教師や大人ばかりの環境下で育った人も「どうせ自分なんてダメだ…」と感じてしまうのです。 比較される頻度が多く「できない」「それではダメ」と幼少期から否定形で責められた人ほど、卑屈になる傾向が強いといわれています。

他人と比較してしまうから

「A子はスポーツ万能で、人気者で羨ましいな」「B子は容姿端麗で明るい自分と大違い」「自分と同じ年の子がドラマやCMに出ている」など学生時代の頃から、学業やスポーツの成績、また容姿や周囲からの好感度など何かと他人と比較する人も卑屈になりやすいでしょう。 「自分は○○だけは誰にも負けない自信がある」「絵を描いたり、パズルは得意である」など特技や好きな分野を開拓し、世界観を築けるのがベストですが、とにかく人より優位に立っていないと意味がない…と考える人は卑屈になりがちです。 その道を究める達人やプロがどの分野にも存在するため、比較しているとキリがないのですが、どうしても他人と比較するのが癖になっている人もいます。

自分に自信がないから

卑屈な性格の本人の自信の有無は、密接に関係しているようです。 元々、幼少期の両親や教師から褒められるより、叱られた回数が多いなど自分に自信がない人も卑屈になることがあります。 自信がないと頭に物事を挑戦する時に「失敗」や「挫折」などネガティブなイメージばかりが浮かび躊躇してしまうことがあるでしょう。 未経験の分野では人より不安感も増大するため、周囲から応援されても「私なんか無理に決まっているよ」「今回はやめてまた次回やってみる」と卑屈になりチャンスを自ら捨てる人もいます。 周囲がいくら励ましても「前回の○○もダメだったでしょ?」「私って元々、○○に弱いから」と言い訳してしまう人もいるでしょう。

傷つきやすい性格だから

元々、繊細で傷つきやすい人はたったひと言の非難や批判、間違いへの指摘で大きく心を揺さぶられてしまいます。 「もう全部ダメだ、立ち直れる気力がない」と1人で空回りし「次回から成功の見込みが低いものは諦めよう」と保守的になるのです。 また他人の励ましさや優しさも心から信用できず「いつか裏切られるか分からないため、話半分で聞いておこう」と自分の殻に閉じこもってしまいます。 こうした考えを続けていると、傷つきたくないため卑屈になり、卑屈な経験をすることででますます傷つきたくない気持ちに拍車をかける悪循環に陥ってしまうのです。

卑屈になる背景や理由を見てみましたが、幼少期からの周囲の大人との関わり方や環境や性格が影響している場合が多いですね。 卑屈な人には、どのような特徴があるのでしょうか。 あなた自身該当していないかチェックしてみましょう。

ネガティブ思考

「将来もどうせ大していいことなどないんだろうな…」「今の業務も、絶対上手くいかないだろう」と仕事、健康、恋愛から将来の展望まで、基本的に悲観視する傾向があります。 卑屈な人は「どうせ自分なんて…」という思い込みがあり、人並みに上手くやっていけるイメージを頭で描くことが苦手です。 その為、何をするにしても最悪のケースを強く想定してしまい、トラブルが発生した時に卑屈な人は2倍、3倍も大きく落ち込んでしまいます。

自分に自信がない

「同僚のA子は本当に私を好きなのかな?」「先輩は自分の仕事の出来栄えに関して、どう思っているのだろうか」「食事に誘われたが飽きられたらどうしよう」と、やたら人の思惑や評価、物事の展開を気にするのも卑屈な人の特徴です。 普通の人も若干不安を感じたり、気が小さくなることもありますが、卑屈な人は日常の小さなことから大きなことまで基本的に心配する癖があるでしょう。 同性、異性問わず何度も相手の気持ちを確かめたり、はっきり承認、評価してもらえないと「絶対大丈夫!」と確信が持てない面もあります。

失敗するのがこわい！なかなか行動に移せない

「良い雰囲気になったけど彼に告白できない、仲介に入ってもらおう」「滅多に募集を出さない会社のレアな求人を見つけたが、応募に踏み切れない」など卑屈な人は失敗を極度に恐れる面もあります。 行動に移すまでに「ああでもない」「こうでもない」と考え、大きなチャンスを逃すこともあるでしょう。 周囲が「今がチャンスだよ!2人は両想い間違いないよ」と応援してくれても、「でも…」と躊躇ったまま時間がだけが去る場合があります。 卑屈な人は失敗した時の衝撃も大きいので「1度で物事を完璧に成功させなければならない」と思い込みがあり、行動するのに非常に気が重くなるのです。

諦めが早い

「LINEの返信が遅いから、もうアプローチするのは控えよう」「あの会社は倍率が高いから、応募しないでおこう」など興味のある人や物事に対して、すぐ諦めるのも特徴の1つです。 周囲の目から見れば「もう少しの努力で完成する」「あの人なら大丈夫なはず」と見えても本人の中で既に「叶うわけがない」「ハードルが高い」という思い込みがあるため、成功の一歩手前で投げ出します。 また、商談や交渉中にアクシデントや揉め事が発生しても、すぐに投げ出す癖もあり何事もスムーズに話が進まなければ気が済みません。

プライドが高すぎる

「本当は友人に手作りのお菓子を渡したいが、デパートで買ったものにしよう」「プレゼンで失敗することを想像すると夜も眠れない」など、基本的にプライドが高く、どんな状況においても自分の見栄を優先しようとするのも卑屈な人の特徴の1つです。 他人が自分より優れているところを見ると、自分の体裁を守ろうとして、つい嘘をついたり言い訳をする面もあります。 普段から自分をよく見せようと気を張っているため、些細なミスや指摘を受けるととても傷ついてしまう人もいるでしょう。

完璧主義である

「27歳までに結婚し、30歳までに出産しなければならない」「料理は、手順通り、味付け、盛り付けまで本そっくりに完成し提供したい」など人生プランから、日常的な分野まで常に完璧であろうとするのも卑屈な人の特徴の1つです。 理想を高く設定したり、完璧を追求する姿勢は素晴らしいですが、卑屈な人の場合「完璧でなければ恥ずかしい」「手抜きや妥協はダメだ」という葛藤もあります。 周囲からは「そこまで丁寧にしなくても…」と思われたり、慎重になりすぎるあまりに時間を要することもあるでしょう。

恥をかくことを恐れる

「同僚に告白したいが、振られたら社内中の噂になるだろう」「1つ良い案があるが、皆に笑われるかもしれないからやめておこう」など恥をかくことを極度に恐れるのも卑屈な人の特徴です。 何かに挑戦した結果、挫折したり失敗することは誰しもあるでしょう。 卑屈な人はこれも1種の経験だと、捉えられず人生の汚点だと深刻に受け止めてしまいます。 また分からない質問や物事があると「自分の弱点を知られる」と考え、助けを求めたり誰かに尋ねたりすることもしません。 しっかり者で完璧な人と映るかもしれませんが、高すぎるプライドが邪魔し周囲から孤立することがあります。

劣等感を感じやすい

「婚活パーティなど友人と参加したが、友人の方がよくモテた」「彼は学歴も職業も立派で、自分などいつかフラれるだろうな…」と何かと比較し自分が劣勢であると思い込むのも卑屈な人の特徴です。 学生時代の頃は、同級生や自分の兄弟や従妹、社会人になると同僚や恋人、結婚するとママ友や近所の人など常に比較対象が変わっては劣等感を持つ面があります。 「あなたは笑顔で元気で素晴らしいよ」「字が達筆で羨ましいよ」と1人に褒められたぐらいでは「自分なんかこの程度の人間か」といじけてしまったり、長所や自信に変えることができません。

長い人生の中で卑屈な考え方になることは、誰しもあるかもしれません。 もし卑屈な人の特徴に多く該当した場合は、少しずつ意識や考えを変えることをおすすめします。 「どうせ自分なんて…」と決めつける癖がつき、仕事や恋愛などたくさんのチャンスを逃す可能性があります。 5つのおすすめの対処法をみてみましょう。

人と比較しないこと

学歴、職業、収入などの社会的ステータスから、容姿や雰囲気など小さなことから大きなことまで比較するとキリがありません。 毎回「あの人は○○で素晴らしいな、比較して自分なんて…」と毎回、劣等感を持つと、本来の自分らしさを失います。 人それぞれ得意分野、趣味、才能を発揮できる分野も異なるため「自分も他人もそれぞれ違う良さがある」と割り切るようにしましょう。 比較する癖がすぐにやめられない人は「あの人をお手本にしよう」と尊重する姿勢に切り替えると気楽になるかもしれません。

途中で諦めずに、納得のいくまでやりきる

卑屈さが増すほど保守的になり、物事を最後までやり遂げることが困難になります。 年齢を重ねるほど先入観で「ムリそうだからやめておく」と何もしない癖がつくかもしれません。 小さなことからでもいいので、納得できるまでやりきりましょう。 「どうしても気になる彼にアピールしてみよう」「苦手意識のある分野も限界まで挑戦してみる」など今までより一歩踏み込んでみることで、自信や新たな発見を得られるはずです。 いきなりハードルの高いことに挑戦するより、まずは簡単な物事を最後までやりきってみましょう。

自分を加点方式で評価する

「卑屈」な人は、物事の評価から自己評価まで全て減点方式で行う傾向があります。 「料理が得意だけど、煮物や魚料理は苦手だから、50点」「上司は仕事を褒めてくれなかったから、60点」と完璧に物事を遂行できた状態を100点とし、至らなかった点を全てマイナスとカウントするのです。 今後は80点だとしても、「100点-20点」と考えずに、1年前の自分より前進できたと捉え「0点+80点」と加点方式で自己評価をしてみましょう。 結果が同じでも、加点方式で自分を評価すると、毎日進歩している実感が湧き心が前向きになります。

言い訳をしない

「私は運がないから最後で悪いことが起きるよ!」「この業務は○○が得意だから、彼女に回してください」など物事を諦める言い訳や口実、嘘をつかないようにしましょう。 次第に、逃げ癖がつき自分の可能性を引き出すことより、プライドを守ることに気力を消耗する形になります。 生活の中で出来ないことや分からないことは素直に認め、ありのままの自分と向き合うようにすると肩の力が抜けていくでしょう。 また素直になることで、対人関係や仕事、恋愛も気を張らずに済み、自分らしさや能力を発揮しやすくなります。

達成感を経験する

「この際に、ダメ元で告白してみよう!」「もう1度食事に誘ってみるぞ」と勢いや度胸がある人は成功も掴みやすいといわれています。 失敗や挫折も経験し、多少ナイーブな気持ちになることがあっても「後悔はない」と満足感や達成感も味わえるため、立ち直るスピードも速いでしょう。 まずは小さなことからでもよいので「とりあえず、一か月間は雨の日以外は運動するようにする」と目標を決め、達成できたら次の課題を見つけます。 ノートに1つ1つ記録していくと、様々な課題を自分が達成していたことに満足できるでしょう。 次第に小さな目標が大きな夢に繋がり、今まで腰が重かったこともスムーズに挑戦できるはずです。

「卑屈」になる理由や特徴、対処法を紹介しましたがいかがでしたか。 幼い頃に体験したトラウマや劣等感が卑屈さの原因になる人もいるでしょう。 競争社会の中で、「またダメだった!」と思うことは誰にもあるんです。 しかし受けた心の傷が根深い人は、次第に卑屈な考えが癖になる場合もあります。 卑屈になると、恋愛や仕事などチャンスが舞い込んできても「どうせ私なんか…」と考える時間が長くなり、失敗や恥をかくことを恐れるかもしれません。 しかし小さなことを最後まで成し遂げてみる、人と比較しない、なるべく達成感が味わえる物事に挑戦するなど、行動を変えてみると、考え方や意識のレベルも少しずつ変化するでしょう。