自己嫌悪って何？自己嫌悪に陥りやすい人の特徴と克服の方法

生きていれば一度は自己嫌悪に陥ることがあると思いますが、中には頻繁に自己嫌悪に陥ってしまう人もいるでしょう。 自己嫌悪に陥りやすい人はどんな些細なきっかけでも、「自分はなんてダメな奴なんだ」と自分を必要以上に責め立ててしまいます。 今回はそんな自己嫌悪に陥りやすい人の特徴や自己嫌悪の克服方法をご紹介。 その前に、自己嫌悪の意味を確認していきましょう。

自分で自分自身が嫌になること

自己嫌悪とは、自分自身が嫌になることです。 失敗をしたり自分の思い通りに行かなかったりすることで陥る場合があります。 自己嫌悪に陥ると「自分はダメな奴だ」と思い込み、自分のことを必要以上に責め続けてしまったり過度に落ち込んでしまったりすることもあるようです。 一度自己嫌悪に陥るとなかなか抜け出しにくく、思い詰めるあまり自分に自信をなくしたり自分のことだけでなく何もかもが嫌になったりと、悪影響を及ぼす恐れがある非常に厄介な心理状態とも言えます。

理想の自分と現実の自分とのギャップが自己嫌悪を生み出す

理想の自分と現実の自分とのギャップがあると自己嫌悪に陥る機会も増えます。 例えば、「自分の理想はもっとそつなく何でもこなすのに、現実の自分は上手く行かないことばかり」とか「自分なら絶対に上手く行くと思っていたのに、大事な場面で失敗してしまった」といった感じですね。 大きな目標や高い理想を掲げるのは決して悪いことではありません。 ですが、大きすぎる目標や高すぎる理想は余計な劣等感を生む恐れがあり、それは自己嫌悪にも繋がってしまいます。 理想が高いということは向上心があるとも言えますが、裏を返せば自分に対して過度な期待をしているとも言えます。 頻繁に自己嫌悪に陥って苦しんでいる人は、もう少し現実的な目標や理想を設定するよう心掛けたほうがいいかもしれませんね。

何か失敗をしたときに自己嫌悪に陥ってしまう人は多いと思いますが、自己嫌悪になるきっかけは大きな失敗をしたからとは限りません。 冒頭でも説明した通り、些細な事でも自己嫌悪に陥ってしまうことはあります。 では、自己嫌悪に陥ってしまうのはどんな瞬間でしょうか？ ここからは自己嫌悪に陥ってしまう瞬間の例をご紹介していきます。

仕事でミスばかりしてしまう

仕事のミスは他人から指摘されることもあるので、「失敗してしまった」という認識が自分の中で大きくなりやすいです。 指摘されなくても、ミスが続けば「どうして自分は失敗してばかりなのだろう」と自己嫌悪に陥りやすいでしょう。 大きな失敗はもちろん、小さなミスでも何度も続けば自信を失う原因になります。 また、仕事上のミスは他の人にも迷惑をかける場合があるので、申し訳なさも相まって必要以上に落ち込んだり、「周りからも「仕事ができない奴」と思われているに違いない」と思い込んでしまうこともあるかもしれません。

必要以上に子供を叱ってしまった

子育ては思い通り行かないことも多いですし、子育て以外にも仕事や家事などのストレスや疲れ、体調不良などで心に余裕がなくなることもありますよね。 そんな時、子供に対して必要以上に厳しく叱ってしまうこともあるでしょう。 ですがそれにより、「子供にあたるなんて自分は酷い親だ」とか「子供のトラウマになってしまったら自分のせいだ」と自己嫌悪に陥ってしまう人も少なくないようです。 自己嫌悪に陥る前に、「叱りすぎた」と気付いた時または冷静になった時点で、必要以上に叱ってしまったことを子供に謝ることが大切かもしれませんね。

目標を立ててもすぐに挫折する

自分で立てた目標を達成できずに挫折してしまったときも自己嫌悪に陥りやすい瞬間です。 これは無理な目標設定をしてしまう人によく見られます。 そういう人は自分が超えられるハードルの高さを理解していないから、達成できない目標を設定して挫折してしまうのです。 例えば、運動をする習慣がない人が「これから毎日ジムに通って2時間は運動をする」という目標を立てたり、勉強が苦手な人が「資格習得の為に毎日5時間は勉強する」という目標を立てても、挫折する確率の方が高いと思いませんか？ 自己嫌悪にならない為にも、もう少し自分の実力に合った目標設定をすべきでしょう。

大事な約束をすっぽかしてしまった

大事な約束をすっぽかしてしまった事もそうですが、「約束した相手に迷惑をかけてしまった」という申し訳なさから、自分の失態を責めている内に自分のことが嫌になってしまうこともあるでしょう。 これは、責任感が強い人や誠実な人に多いかもしれませんね。 約束にルーズな人なら「忘れてしまったものは仕方がない」「相手も許してくれたし大丈夫」と割り切れるのでしょうが、そうでない人は「守るべき約束を忘れていた」「相手に悪いことをした」という後悔からなかなか気持ちを切り替えられず、自己嫌悪からも抜け出せなくなってしまうのです。

余計な一言で相手を傷つけた

余計な一言で相手を傷つけてしまったときも自己嫌悪に陥る瞬間でしょう。 悪気がなく無意識に発した一言だからこそ、相手の傷ついた表情を見たときにどうフォローすればいいのかも分からず、「言わなければ良かった」と後悔の念も大きくなり、それが自己嫌悪に繋がるのです。 また、「自分が発した何気ない一言が他人を傷付けてしまった＝自分は他人を傷つける言葉を無意識に発している恐れがある」という事実が胸に突き刺さり、自己嫌悪に陥ったまま抜け出せない人もいるでしょう。

頻繁に自己嫌悪に陥ってしまう人にはある共通点があると言えます。 というわけで、ここからは自己嫌悪に陥りやすい人の特徴をご紹介。 自己嫌悪に陥りやすい自覚がある人もない人も、自分が以下の特徴に当てはまっていないか確認してみてくださいね。

自己評価が低い

自己嫌悪になりやすい人は、自己評価が低く自分に自信がないという特徴が見られます。 自信がないせいで「何をしても上手く行きっこない」と悲観的になり、そういった考え方しかできない自分に自己嫌悪してしまうのです。 また、そういう人は自分の長所でなく短所に目が行きがちで、他人から評価されたとしても「でも自分はここがダメだから」と素直に受け取れません。 自己評価だけでなく自己肯定感（＝自分の価値や存在意義を認める感情）も低く、自分を大切にする気持ちや自尊心が他の人よりもない特徴もあると言えるでしょう。

他人と自分を比べがち

自己嫌悪に陥りやすい人は他人と自分とを比べがちです。 例えば、「同期は仕事ができるのに、自分はミスばかりでダメだな」とか「周りは幸せそうなのに、自分はそんな風ではない」などと考えて、落ち込んでしまいます。 自己嫌悪になりやすい人は負けず嫌いな特徴も見られ、無意識に様々な事を周りと比べては勝ち負けを気にしているのです。 勝てば安心できるし、負ければ劣等感を抱くのでしょう。 要するに、人と比べて勝つことでしか自分の価値を見出だすことができないのです。

劣等感がつよい

自己嫌悪になりやすい人は劣等感が強いと言えます。 これは先ほどの「自己評価が低い」とか「他人と自分を比べがち」という話にもリンクするのですが、他人と比べ「自分は周りの人より劣っている」と自分を卑下する気持ちが自己嫌悪に繋がってしまうのです。 また、自己嫌悪になりやすい人は劣等感が強いと同時にコンプレックスが強い傾向にあります。 単純に「人より劣っている」と思う劣等感とは違い、コンプレックスはその劣っているという認識に怒りや悲しみなどの感情が伴うものです。 強い負の感情に囚われてしまうと気持ちの切り替えも上手くできないので、自己嫌悪に陥ってしまった際になかなか抜け出せない恐れがあります。

理想が高く、完璧主義

自己嫌悪になりやすい人は理想が高く完璧主義者であるケースが多いです。 上でも話した通り理想が高いせいで現実との自分にギャップが生まれ、それが自己嫌悪に繋がると考えられます。 完璧主義なので些細なミスや欠点も許せません。 それゆえに自分に厳しく、上手く行かないことがあると「理想に近づけない自分はダメな奴だ」と思い悩み、自己嫌悪に陥ってしまいます。 同時に他人に厳しい面もあり、人が失敗したときに責め立ててしまい、後になって「言い過ぎてしまった」と落ち込んでしまうことも少なくありません。

ネガティブ思考

自己嫌悪に陥りやすい人はネガティブ思考である特徴も見られます。 実際に悪い事が起こったわけでもないのに悲観的になって落ち込んでしまうのです。 何をするにも悪い方向へしか考えられない自分に嫌気がさしてしまうこともあるでしょう。 何かを始める前から「失敗するに違いない」と考えたり、「自分の言動が周りに不快感を与えてしまうかも」と周囲の目を過度に気にしたりして、自分の思った通りに行動することができないのも自己嫌悪に陥る原因になります。 ネガティブ思考は自信を失うことにも繋がるので、より自己嫌悪を生みやすいと言えるでしょう。

「どうせ直せないし、もうこのままでいい」とか「こういう性格だから仕方ない」と諦めて、自己嫌悪に陥りやすい性格を放置するのは危険です。 ここからは、自己嫌悪をそのままにしておくデメリットをご紹介していきます。

他人も嫌いになる

自己嫌悪に陥ったとき、「自分はなんてダメな奴なのだろう」と思うと同時に「周りの人は自分より優れている」とか「他の人が羨ましい」という思いが生まれることもあるでしょう。 しかし、その羨望が嫉妬に変わってしまうと、自分だけでなく他人のことも嫌いになってしまう恐れがあります。 他人のことが嫌いになれば、接し方も無意識に棘があるものになってしまうでしょう。 そんな態度を取れば、周りの人達も「この人とは関わらない方がいい」と考えて距離を置かれてしまうかもしれないので、注意しなければなりません。

人間関係が悪化する

先ほどの「他人も嫌いになる」という話ともリンクするのですが、自己嫌悪をそのままにしておくと人間関係が悪化する場合もあります。 他人への嫉妬が募ると、その人の悪い部分を探して愚痴や不満を言い振らす人がいますが、誰かの前で他人の悪口を言うのはおすすめしません。 愚痴や不満を言っていたことが本人にバレてしまえば相手から嫌われてしまうでしょうし、愚痴や不満を聞かされた他の人は「この人と付き合うと自分も悪口を言われるかも」と考えて離れていく恐れもあります。 また、自己嫌悪に陥っている人は雰囲気が暗くなりがちなので、周りの空気を悪くしてしまうこともあるでしょう。

人生の岐路で大きなチャンスを逃す

自己嫌悪に陥りやすい人は何事も悪い方向へ考える癖がついているせいで、人生の岐路で大きなチャンスを逃すことが多々あります。 例えばチャンスが訪れても、「失敗したらどうしよう」といった不安や「どうせ上手く行かないだろう」といった諦めの気持ちが邪魔をして、行動に移すことができないのです。 新しい事を始めたり何かにチャレンジすることもなかなかできない為、他の人より人生経験が浅くなってしまいがちといったデメリットもあるでしょう。 何か選択をする際も、自分の考えに自信がないせいで周りに勧められるまま本心とは違う選択をして、微妙な思いをすることも多いかもしれませんね。

それではいよいよ、自己嫌悪から抜け出す方法をご紹介していきます。 この克服方法は、すんなり実践できるようになるまで少し時間が掛かるかもしれません。 しかし、できるようになった頃には自己嫌悪に陥る機会も少なくなっているはずです。 生き辛い日々から抜け出したい人はぜひ参考にしてみてくださいね。

ありのままの自分を認める

自己嫌悪に陥ってしまうのは、理想が高すぎたり完璧を求めてしまうからと話しましたよね？ ですからありのままの自分を認め、自身の価値や魅力を自分で見出せるようになることが、自己嫌悪から抜け出す方法の一つと言えます。 たとえ悪い結果になったとしても、その過程には良かった点や褒められる点もあるはずですし、失敗は次に活かせば良いのです。 できなかった事を後悔するばかりでなく、できた事を自分で評価してあげることで、気持ちもラクになるでしょう。 自分の欠点や失敗を受け入れられるようになれば自己肯定感も高まり、自己嫌悪に陥る回数も減るはずですよ。

小さな目標を達成して成功体験を積む

自己嫌悪に陥るのは自分に自信がないからとも言えます。 そこで、小さな目標を達成して自分に自信をつけることも対策としては有効です。 小さな事でも成功体験を積んで行けば、失われた自信も徐々に戻ってくるでしょう。 目標が高すぎると挫折してしまう恐れがあるので、目標は必ず自分が達成できるものを設定してください。 「できた」と実感することが重要なので、最初は「こんな簡単でいいの？」というレベルでOKです。 どうしても大きな目標になってしまうなら、ステップを分け徐々にクリアしていくのがおすすめになります。

自分は自分、人は人と割り切る

他人と比べて自己嫌悪になってしまうなら、「自分は自分、人は人」と割り切れるようになる必要があります。 そもそも自己嫌悪に陥りやすい人は他人の良い所ばかりが目に入り、「自分は周りよりも劣っている」と自分が不利になるような正確性のない比べ方をしがちです。 羨ましく思う部分は相手の一面にすぎないことを忘れてはいけません。 ただ、いきなり「他人と比較せずに割り切れ」と言われても難しいと思うので、他人と比較しそうになったら他の事をして気を紛らわせましょう。 同時に、どういった事で他人と比べてしまうのかを分析し、劣等感を取り除く努力をしてみてください。

短所だけでなく長所にも目を向ける

短所だけでなく自身の長所にも目を向けることで自分の価値や魅力が再確認でき、自己嫌悪に陥ることも防げるでしょう。 「短所しか思い浮かばない」という場合は、短所を長所に変えて捉えてみてください。 例えば自己嫌悪感を抱くことだって、自己分析が理解できる人と捉えることができます。 それに「ダメだ」と感じて落ち込んでしまうというとこは、「自分はもっとできるはず（なのになぜ）」と自信の可能性に気付いている証拠です。 長所に目を向ける為に、自分の良い所や魅力をノートに書き出すのもおすすめ。 自己嫌悪に陥りそうになったときにそのノートを見れば、気持ちも上向きになるはずですよ。

落ち着いてできる方法を考える

自己嫌悪に陥りそうになったら、まずは落ち着いて冷静になってから自分にできる方法を考えてみましょう。 思った通りに行かないのは、成功する方法がちゃんと分かっていなかったり、実践した方法が自分に合っていない場合があります。 「なぜできないのか」「どうして自分はダメなのか」ではなく、「自分に合った成功法とはどんな方法か」「どうすればダメな自分じゃなくなるのか」と考えるようにするだけでも、精神的にはラクになるはずです。 また、いくら考えてもできる方法が思いつかなかったり、考えることで気分が落ち込んでしまう場合は、「考えても事態は好転しない」と割り切って、考えすぎないようにするのも対処法のひとつになります。

自己嫌悪から抜け出す方法をご紹介してきました。 次は自己嫌悪にならず生きていくコツをご紹介します。 克服法に加え、今からご紹介するコツも一緒に実践すれば、自己嫌悪に陥る機会も徐々に減ってくるはずなので、ぜひ実践してみてくださいね。 それでは見ていきましょう。

自分を肯定するクセをつける

自己肯定感が高まると、落ち込んだときも「自分なら大丈夫」と気持ちを切り替えてすぐに立ち直ることができます。 また、自身の価値や魅力が分かっていれば周りからの評価が気にならなくなったり、精神が安定し逆境にも強くなるでしょう。 自己肯定感を高める為にも、ポジティブな考え方や口癖を意識するといいかもしれませんね。 成功や成長が実感できなくても、「いつも通り自分のペースで過ごすことができた」と前向きに捉えてくださいね。 それから他人の評価を求める前に、まずは自分で成功した事を褒めて認めてあげることが重要ですよ。

完璧を求めない

完璧を求めることで満足のいく結果が出せるならいいですが、最終的に自己嫌悪になり自信を失うだけなら完璧を求めないことも大切です。 完璧主義者には息抜きが下手だったり妥協の仕方が分からない人が多いと言えます。 状況に合わせて上手く対応しないと途中で心身がボロボロになってしまい、モチベーションが維持できなくなったり大事な場面で成果が出せなくなったりする恐れもあるでしょう。 完璧を求めないのと同時に、自分の実力に合った合格ラインを判断できるようになることも大切ですね。

人と自分を比べない

他人と比較することで自分を高めることができるならいいですが、劣等感を抱くだけなら比べるのをやめるべきでしょう。 そもそも他人と比べてしまうのは、自分の幸せの基準が把握できていない証拠です。 つまり周りと比べてしまう人は、他人を基準にすることで「自分は今この位置にいるから、幸せ（優れている）or不幸（劣っている）」などと判断しているわけですね。 どうせ比べるなら過去の自分と比較しましょう。 「以前よりできるようになった」「昔よりも成長した」と実感することで達成感や満足度も高まりますし、いちいち他人と比べて判断しなくても自分の幸せの基準がだんだん分かってくるはずですよ。

自己嫌悪に陥りやすい人の特徴と克服方法などをご紹介してきましたが、いかがでしたか？ 自己嫌悪に陥る人は自分の悪いところを客観的に捉え、素直に受け入れられる人です。 ですから、自己嫌悪に陥ってしまう自分を必要以上に責めるのではなく、「理想の自分に近付ける力に変わるはずだ」と信じて、これからに活かしましょう。 自己嫌悪を克服するには、まずは自分を認め自信をつけることが大切です。 そうすれば自己嫌悪に陥る機会も減り、自分のこともより好きになれるはずですよ。