年の差婚の老後はどうなる？知っておくべきその実態と対策

昔に比べ、10歳以上年が離れた相手と結婚をする「年の差婚」が今ではめずらしくありません。 年が離れた男性って、同年代の男性と比べて頼りがいがあり男らしく見えるので、そこに惹かれて結婚する人が多いです。 しかし、今は良くても10歳以上の年の差婚で気になるのが、老後の生活ですよね。

年の差婚の老後にまつわる実態を紹介

あなたよりも常に10歳先を生きているのですから、当然あなたが元気なうちに相手は「老後」を迎えます。 それは皆さん想像はつくけれど、実際に老後って何が変わるのか、どういう準備をしておけばよいのか等、具体的な想像がつかないから不安になるのですよね。 今回はその気になる「年の差婚の老後がどうなってしまうのか」「どのようなことをしておくべきなのか」といった、年の差婚ならではの不安について考えていきましょう。

年の差婚で最も心配になるのが、老後のお金の問題ですよね。 かなりの年の差婚だと、まだ子供の学費がかかるうちに年金生活となる場合や、やっと子供に手がかからなくなったと思ったタイミングで片方が老後を迎えて年金生活に突入なんてこともあります。 老後ってなんだかお金に困るっていうイメージが漠然とあるし、どれくらい年金が入るのかもわからないし…考えれば考えるほど不安でいっぱいになります。

年金は意外ともらえない？貯金は◯円くらい蓄えておくと安心

では、老後に年金ってどれくらいもらえるのでしょうか。 2人とも年金をもらう年齢であれば2人分の年金受給額となりますが、年の差婚の場合はそうではありません。 あなたはまだ年金をもらう年齢ではないので、相手の年金のみの受給となります。 40年間保険料を払った場合、国民年金は月に55,344円、厚生年金は月に147,872円の受給となります。 保険料を払った年数が40年未満の場合は、更に受給額は少なくなります。 老後は健康とも限りません。 特別養護老人ホームに入所なんてなったら、介護度によって費用は変わりますが月に約10～15万円かかります。 入院したとしたら、治療費や部屋代に食費など含め、１日平均で約19,835円かかります。 子供の養育費は１人につき、平均約1,549万円かかるとされています。 ＮＰＯ法人日本ＦＰ協会によると、老後に生活するために必要な１人分の費用は１日あたり約15.4万円とされています。 老後期間を20年とすると、１人あたり5,000万円の貯金が必要と計算されています。 そう考えると、年の差婚って将来やっぱり大変そうですよね。

年下の人はどれくらい働けばいいのか？

年の差婚の場合、片方が年金生活となったときに1ヶ月の生活にどれくらい収入が足りないのでしょうか。 2人で最低限の生活を送るためには、1ヶ月に確保したい生活費は27万円と言われています。 40年間保険料を払った場合、国民年金では月に約55,000円ですから、差額の215,000円を年下の人は稼がなければなりません。 厚生年金は月に147,000円ですので、差額の123,000円を稼がなければなりません。 国民年金の場合は、単なるアルバイトではなかなか稼げない金額ですよね。 このような老後の現状を想像すると、ゾッとしますね。 しかし年の差婚の場合、この老後の生活は年の差婚でない場合と比べると、すぐにやってきます。 それまでに出来る限りの貯金をするしかないですね。

パートナーの介護費用・病院費などは平均でいくらくらい？

老後に必要になる介護費用の平均を見ていきましょう。 まず、デイサービスなどの介護サービスを利用しながら「在宅介護」を行った場合、月平均69,000円です。 「施設入所」した場合、特別養護老人ホームでは月平均約10～15万円がかかります。 年間で計算すると、「在宅介護」と「施設入所」では雲泥の差となりますね。 では、病気となったときの病院費はどれくらいかかるのでしょうか。 三大疾病の一つであるガンを例に見ていきましょう。 がんの平均入院期間は20日前後です。 その間の病院費は30万円前後です。 しかし、医療費が過度にならないようにするための「高額療養費制度」というものがあり、申請をすると負担金額が少なくて済みますので、利用したいときには市役所に相談してみましょう。

遺産の相続はどうなる？

年の差婚でよく言われてしまうことが、「遺産目当てなんじゃないか」ということです。 そう言われるくらいですから、遺産相続のときにはもめる覚悟はしておいた方が良いでしょう。 年の差婚であれば、年上の人は再婚という場合も多いです。 再婚の場合、前妻との間に子供がいたとしたら、遺産は配偶者と前妻との間の子供で1/2ずつ分けます。 また、前妻との間に子供がいない場合、配偶者と亡くなった方の兄弟で1/2ずつ分けます。 この分配は、結婚生活がたとえ短い期間であったとしても変わりません。 だからこそ、もめるのです。

では実際に、年の差婚で最も大変なことって何なのでしょうか。 最も大変なことが分かっていて心構えができているのと出来ていないのとでは、精神的な負担も大きく変わってきます。

1位：パートナーの介護/入院のお世話

第1位は、パートナーの介護や入院のお世話です。 なぜ最も大変と感じるのというと、やはり費用がかかる事、介護や入院中の世話は1日の多くの時間をとられること、状況によっては介護が年々重くなる事が挙げられます。 費用がかかるということは、先の説明で想像がついていると思います。 介護と入院の世話も、相手の世話をするのですから自分の自由に使える時間をとられてしまうことも考えられます。 最後に挙げた「介護が年々重くなる」というのは、加齢と共に筋肉が無くなり、去年歩けていたのに今年は車椅子生活になってしまった･･･この間までは一人で入浴できていたのに浴槽から立ち上がれなくなってしまい介助が必要になってしまった･･･と、徐々に介護が必要な内容が増えていくということです。 そう考えるとなんだか切なくなってきますね。

2位：子供の世話や養育費/学費

第2位は、子供の世話や養育費の問題です。 ただでさえ少ない年金生活です。 貯金をしたいけれど子供の養育費を払うのに精いっぱい。 それなのにいつの間にか片方は年金生活に突入してしまった･･･子供の養育費はどうすれば良いの～という悩みが大きいのです。 しかも、1人でも大変なのに子供が2人以上いるという場合は本当に大変なんです。

3位：パートナーのお葬式

第3位が、パートナーのお葬式です。 これはあんまり考えたくないことですが、目をそらしていざその時が来てしまったらとても慌ててしまいます。 お葬式って意外と費用がかかるのです。 しかも、葬儀場の手配に加え親せきや友人への連絡と、悲しみに暮れる間もなくバタバタとしてしまいます。 お墓はどこにあるんだったっけ等と、普段考えないことを考えなければいけないので、心身ともに疲労困憊です。

ここまで、年の差婚の老後の実態や具体的な大変なことを挙げてきました。 では、それを踏まえて年下の方は何を備えておくと良いのでしょうか。 年の差夫婦の年下の方が先にしておくべき3つの事をご紹介します。

趣味や友達などのリフレッシュ方法の確保

1つ目は、趣味や友達などのリフレッシュ方法の確保です。 思ったより早くやってくる介護生活。 介護生活はその介護度によって大変さは違いますが、オムツを交換したり着替えを手伝ったりと多くの自分の時間を使います。 そのため、とてもストレスがかかるのです。 それを発散させる趣味や友達関係をつくっておくことが、とても重要となります。

やっぱり大事！貯金

2つ目は、やっぱり貯金！ もう読んで感じたとは思いますが、本当に老後はお金に困るんです。 そうは言いながらも老後はなんとか皆生活できているし、大丈夫なんじゃないかなんて言っていると、本当に大変な思いをしてしまいますよ。

安定した働き口での就職

年の差婚の老後は貯金があってこそ、不安の少ない生活が送れます。 年金受給額の少なさから見ても、アルバイトでこつこつ稼ぐより、ボーナスもきちんともらえるような安定した働き口のほうが好ましいです。 何か資格を取り、長く安定した職場を見つけることも一つの手ですよ。

年の差婚は決してデメリットだけではなく、精神的に頼れたり年の近い相手とは違う包容力を感じるといったメリットもあります。 ですが、年の差婚では必ずやってくる老後の問題があります。 そこに備えた生活を送っていくことも、先の生活を考えるととても必要なことなんです。