セックスレスは離婚の理由になる。どんな夫婦でも一度は考えておくべきこと

セックスレスは離婚の理由になる。どんな夫婦でも一度は考えておくべきこと

セックスレスで悩む夫婦はどんどん増えています。それが原因で離婚を望んでいる人もいるでしょう。民法第770条によるとセックスレスは離婚の理由になります。立証の方法や慰謝料についてなどその詳細を早速見てみましょう。

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セックスレスは離婚の理由になります。

セックスレスは離婚の理由になります。

セックスレスレスは離婚の理由になってしまう一大事! ただし、色々と細かい条件があるのです。 しっかりと理解するためにも、まずはセックスレスとはそもそもどういう状態なのかという部分から見ていきましょう。

その前に、このままで夫婦二人は大丈夫?

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セックスレスの定義

セックスレスの定義
セックスレスの定義をご存知ですか? 日本性科学会が1994年に定義したところによると、「セックスレス」とは「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ないこと」を指します。ここでいう「セクシュアル・コンタクト」には、キス、ペッティング、裸でのベッドインなども含まれています。
出典 : https://allabout.co.jp/gm/gc/31927/

1ヶ月以上とは意外と短いですよね。ですが、厳密には裸でのベットインがあったりベットでのキスなどがあるとセックスレスとは言えないのです。離婚を考えている場合、ここら辺の細かい定義まで抑えておく事が重要なのでよく覚えておきましょう。 例えば、セックスする気が全くないけれど、迫ってくる妻の気を慰めるために「疲れているから」とキスだけしてごまかして来る夫も良くいますよね。 セックスレスを原因として離婚を考えているなら、この時点でアウトになる場合があることを覚えておきましょう。愛情あるキスであろうがごまかしのキスであろうが法律上はキスはキスとして受け取られてしまう可能性があります。

セックスレスが離婚の理由になる根拠

セックスレスが離婚の理由になる根拠

結論から言うとセックスレスは離婚の理由として正当なものです。 もちろん法的な根拠がちゃんとあります。夫婦の離婚についての法律「民法第770条」から詳しくその根拠を見ていきましょう。

セックスレス禁止の法的根拠は民法第770条「裁判上の離婚」

以下は民法第770条の条文になります。まずは内容をご確認ください。

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 一 配偶者に不貞な行為があったとき。 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
出典 : https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第770条
セックスレスになると相当の精神的負担になりますよね。セックスを拒まれるということは異性として見られていない。ということに繋がります。実際それが理由だとはっきり言う人もいます。 以前は異性として見られていたのに現在は見られていない、それは自尊心を傷つけられたも同然です。ですから今後もずっとそれを抱え続けて一緒に暮らしていくのは困難でしょう。何のために一緒にいるのか?という疑問も持つはずです。 しかも最高裁は夫婦の性生活について「婚姻の基本となるべき重要事項」としていますから、セックスレスは民法第770条1項5号に該当するため、離婚の理由として成立します。 つまり、セックスレスはかなり離婚する理由になるよ、ということです。 ただし、セックスレスの状態になるまでに合理的な理由がある場合、例えば女性が妊娠中であったり、男性が骨折している、などの理由がある場合はこの5号には該当しません。 つまり、性生活を行える環境にあるのに性生活を拒否する事は相手に身体的な苦痛を与え、婚姻関係を維持するのは難しいと裁判官も理解できる、ということなのです。 ただしEDは勃起不全というちゃんとした名称のついた生活習慣病で、物理的に性生活を行うのは困難ですが、EDについては合理的な理由にはなりません。 男性は自分がEDと認めたがらない傾向がありますから、妻がいくら治療を進めても積極的に向き合おうとしない場合が多く、事態が改善されないために妻の精神的負担が日を追うごとに大きくなっていくからでしょう。 夫のEDを理由に離婚をした女性は実際たくさんいるのです。

実際にセックスレスで離婚が成立した判例

セックスレスが明確に離婚理由として成立するため、多くの場合では夫婦お互いが弁護士を雇い、弁護士間での解決となります。 実際に裁判まで行き、慰謝料が認められた事例があります。以下がその詳しい判例です。

【事案内容】 女性A(35歳)と男性B(44歳)が結婚した 結婚後の生活において,BはAの悩みにも無関心・無気力で,一切性交渉を持とうとしなかった 夫婦関係は険悪になり,3か月後に協議離婚をするに至った 【裁判での主張】 AはBに対し,慰謝料請求訴訟を提起した Bは,『睡眠薬を常用していたから奇形児が産まれると思って性交に応じなかった』と主張した 【裁判所の判断】 性交渉の意欲がないのか,性的能力に障害があるかのいずれにせよ,性交渉拒否が破綻の原因に結びついている 慰謝料500万円を認めた
出典 : https://www.mc-law.jp/rikon/1793/

このように、実際セックスレスだった場合には実際に離婚することが認められ、その上で慰謝料まで発生することもあります。 上記の事例では男性側は睡眠薬を常用していて奇形児が生まれるのを懸念していた、と合理的な理由があったことや性交自体を拒否していたわけではないことを主張しているようですが、最終的にはどんな理由があるにしろ、性交渉を拒否したことが結婚生活の破綻の原因になっていて、それが問題なのだと判決を受けていますね。 睡眠薬の影響で奇形児が生まれる確率がどのくらいあるのか医師に相談したり、服用方法の工夫を試みる、などの誠意ある行動があればまた違った判決だったのではないでしょうか。

セックスレスだけが理由では離婚は厳しい

セックスレスなので離婚したいと申し出て、裁判所からすぐに離婚しなさいと言われるわけではありません。 上記の判例からもわかるように、セックスが出来るか出来ないかは重要ではなく、セックスを拒否されたことによって拒否される側の精神的負担や家庭の崩壊などが起きている、という状態になることがメインの要件です。 セックスを拒絶する理由がはっきりとしていてそれを改善する意思や行動があったのか、また、セックスができないことで相手が受ける虚無感について何かセックスとは別の形で癒す努力をしたのかどうか、ということの方が裁判では重要視されるということです。 ですから、単純にセックスレスだけが理由では離婚は厳しいと言えるでしょう。

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二人は今後、どんな未来を歩むのか

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セックスレスで離婚する時の証拠

セックスレスで離婚する時の証拠

セックスレスは立証するのが実は難しいのです。 セックスレスを立証するためには「できるのにしない」という状況を第三者にわかるように示さなくてはなりません。 そのためにはその証拠をしっかりと準備しておかなくてはいけないのです。どんなものが証拠になるのか、しっかり確認しておきましょう。

証拠となるものは、 1,セックスを拒否された事の日記 これはブログではなく手書きのものが好ましいので自分で手帳を用意して書き留めておく方が良いでしょう。どのくらいの頻度で求め、どのくらい拒否されているのか、その時どんな気持ちになったのか、ということを書いておくと良いでしょう。 2,セックスを拒否された際の音声や映像録音 これは決定的な証拠になります。映像を撮ることができれば一番良いのですが、音声だけでも相手がどんな気持ちで断っているのか、声音からうかがい知ることができるでしょう。 本当にできないから断っているのか、それとも面倒、などの自分勝手な理由から断っているのか、はっきりとさせるとても重要な証拠になります。 3,セックスレスについての話し合いをする時の音声録音 セックスレスについて話し合うときは必ず音声を録音するべきです。拒否した相手がセックスレスについてどのような姿勢でいるのかをはっきりと第三者に示すことができます。 拒否した相手がセックスレスの状態を改善しようと努力しているのかどうか、そこがとても重要なポイントになるのです。 4,男性が自慰をしている事実を示唆する物証 妻との性交は断り続けているのに、自慰をしているならばそれは身体的にはセックスができるという証拠になります。つまり、セックスできるのにしていない、ということを立証できるのです。 自慰をしている事実を示唆するような物証があればしっかり抑えておきましょう。

セックスレスを立証するのは実際はとても難しいことですから、本当に立証しようと思うなら、上記4つを残しておく事が望ましいのです。

セックスレスで離婚に至った時の慰謝料の相場と慰謝料が高額になる条件

セックスレスで離婚に至った時の慰謝料の相場と慰謝料が高額になる条件

実際にセックスレスで離婚をする事を法的に考えた時にもちろん慰謝料が発生します。その場合の慰謝料の金額と相場を見ていきましょう。

慰謝料の相場

一般的に一年以上のセックスレス状態が続けば、セックスを拒否された側は離婚の時に慰謝料を請求する事が可能になるケースが多いようです。その慰謝料の相場は100万円~ 300万円と言われています。 ここをベースに経緯、結婚期間の長さ、お互いの収入、資産、養育する子供の人数など様々な条件で50万円~ 200万円程度の幅で上下します。

慰謝料が上がってしまう条件

結婚期間が長い 相手の年収が高い 資産が多い 年齢が高い 養育する子供の人数が多い
出典 : https://rikon-kouza.biz/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/sekkusuresurikon.html

セックスレスで離婚する時に不利になる言動

セックスレスで離婚する時に不利になる言動

セックスレスで離婚をする時に不利になる行動をとると、上記の判例のようにかなり大きく慰謝料を取られる可能性すらあります。 慰謝料を要求する側はより多くの慰謝料を得たいと思うでしょう。 様々な判例の中から、離婚をする時に行っていると不利になってしまう言動を紹介しますので、しっかり確認しておきましょう。

セックスを拒否する行為

一緒のベットに眠らない限りはセックスできる状態とは言えませんので、ベットに一緒に入ろうとしない、寝室を別に移すなどの行為はあからさまな拒絶の態度と取られて当然です。 離婚を請求する側も気をつけなければいけません。あまりに拒否が続いたことで投げやりになって自分から寝室を別に移そうと考える事もあるかもしれませんが、自分から移してしまうと調停や裁判になった時に相手にその点を追及され、逆に不利になってしまう場合もあるかもしれません。

結婚前にはあったのに、結婚後にセックスを拒むようになった

結婚以前にはセックスがあったのに、結婚後セックスを拒むようになった場合は、身体的にセックスすることに問題がないという事ですから、民法第770条1項5号の「合理的な理由がない場合」にモロに該当します。 ですから結婚したにもかかわらずセックスを拒まれた場合は法的に離婚が認められるのです。

一人目の出産後にセックスを拒むようになった

出産を機にセックスレスになる夫婦は多いのですが、その理由については様々。女性の場合は慣れない子育てによる疲れや、ホルモンによる心情の変化、産後すぐで身体がまだ元に戻っていない状態のせいだったり、という理由です。 出産してからのセックスレスで心情的変化だった場合、合理的な理由に含まれません。ですからその場合は離婚時に慰謝料を請求する事が可能です。 しかし、家庭の経済状況を考えた場合でのセックスレスなら、合理的な理由となります。 経済的にもう一人子供を作ることは不可能だからセックスはしない、という理由なら離婚対象にはならない、という事ですね。

結婚してからセックスがない

結婚してからセックスがない場合はほとんどの場合離婚が認められる上で、夫婦としての責任を一切果たしていないとみなされ、慰謝料は高額化しやすくなります。 実は結婚してからセックスが一切なくなったという夫婦はよくいます。その理由としては色々言われていますが、一つは今までとは違い結婚してからのセックスは「子作り」という意識があるから。 繊細な男性の場合はそれだけでセックスが義務化したように感じたり、また自分が子供を生産するための道具のように感じ、そのせいで今までのようにセックスに対してやる気が出なくなってしまったりするようです。 しかし、妻が子供が欲しいと望んでいた場合、年齢にはリミットがあるわけです。民法では「同居義務・協力義務・扶助義務」の三つが夫婦には定められています。妻が結婚生活をしていく上で子供のいる家庭を望む以上は夫はそれに協力する必要があるといえます。その上でセックスを拒むという事は夫婦としての責任を果たしていないと言えるでしょう。

セックスレスの期間が半年以上

長期に渡るセックスレスも慰謝料をあげてしまう要因です。セックスレスが原因で慰謝料を請求する場合、心理的負担の程度は重要な部分になってきます。 心理的負担が大きければ大きいほど、慰謝料も高くなるのは当然のことですよね。セックスを拒まれてから1年よりも2年、2年よりも3年、と心理的負担を負わされた期間が長ければ長いほど、負担が蓄積されて深刻な状態になっていると判断されます。セックスレスの期間が半年以上の場合は慰謝料が高額化しやすくなります。

セックスレスを起因としたモラハラ,DV等

セックスをしようとする側に対して暴言を吐いたり、バカにするような発言はモラハラとして慰謝料高額化の要因になります。ただでさえセックスを拒否されて心理的負担を負わされている上に暴言を吐かれてはかなりの精神的な負担を受けるので、当然ですよね。 またDVなどももちろん慰謝料高額化の要因になります。 DVやモラハラについては、例えばセックスを拒まれた方があまりにセックスを強要すると、DVとして扱われることもあるようですから、特に男性はセックスを拒んでばかりの妻に対してカッとなって暴力を振るったり、モラハラ発言をしたりしないよう、気をつけるべきです。 セックスレスが辛くて離婚調停で慰謝料を請求してもセックス強要の事実が判明するとDVとして扱われ、逆に慰謝料を請求される場合もあるのです。

夫もしくは妻のセックスレスを原因とした浮気

あまりにセックスレスが続くと、別の場所で発散したくなる場合もありますよね。しかし、セックスレスを原因として浮気した場合も離婚調停の場合は離婚理由の不貞行為に含まれるため、慰謝料が高額化しやすいです。 「セックスレス対不貞行為」の場合は不貞行為は完全な裏切りであり、一般的には不貞行為の方が有責性が高いと判断されることの方が多いようです。 もしセックスを拒まれる側で離婚を考えているなら、どんなに辛くても不倫などに走らないように気をつけるべきですね。

セックスレスの改善に向けた話し合いや努力の拒否

セックスレスを原因として離婚する場合、そのレス問題について改善のために夫婦で話しあい、努力したのか、という点は重要な部分になります。 例えば男性が勃起不全の場合、その原因を探り、改善するために妻から病院に行くように勧められても病院に行かなかったり、セックスを拒否し続けている妻が夫に理由を聞かれても頑なにその理由を言わなかったり、セックスレスを改善しようとする努力が全くないと判断されれば、慰謝料が高額化しやすいのです。

セックスレスで離婚する際、子供がいる場合と子なしの場合の違い

セックスレスで離婚する際、子供がいる場合と子なしの場合の違い

セックスレスを原因とした離婚になった時、夫婦によっては子供がいる夫婦もいれば、子供がいない夫婦もいるでしょう。 子供がいる場合は離婚は夫婦だけの問題ではありませんよね。 子供がいる場合と子供がいない場合でセックスレスを原因とした離婚になった時、どう違うのかを詳しく見ていきましょう。

子供なしの方が離婚の金銭的負担が小さい

離婚する時に子供がいる場合は養育する子供の数が多いほど、慰謝料も高くなりますし、養育費も必要です。ですから、子供がいない状態の方が離婚される側としては金銭的負担が小さく済みます。 離婚する側としても子供がいるといないとでは次の結婚のハードルが下がるので、離婚するなら子供がいない方が良いですね。

子供ありだと、子供への精神的負担が大きい

子供がいる場合、もちろん養育費などの金銭的負担が大きくなりますし、慰謝料も子供の数によって高額化します。 しかし、それよりも離婚した事による子供の精神的負担の大きさを考えましょう。最近は離婚する夫婦も増えましたが、両親が離婚した子供の多くは「親がいないから」というレッテルを貼られたり、親の離婚が原因でイジメにあったり、と、社会の偏見は未だに根強くあるのです。 また多感な年頃だと片親から捨てられた、と感じて不安になり、成績が落ちたり精神が不安定になったりもします。精神科を受診する離婚家庭の子供は一般家庭の子供と比較してその割合は約2倍だそうです。 子供ありだと子供への精神的負担が大きくなる、ということをよく理解しておきましょう。

誰に相談すればいい?ベストなセックスレスと離婚問題の相談相手

誰に相談すればいい?ベストなセックスレスと離婚問題の相談相手

もう耐えられない!と夫婦関係に限界が来て離婚を意識した時、これらの複雑な問題を誰に相談すればいいのでしょうか? 離婚を考えている場合、事態は深刻な状況だとは思いますが、今一度冷静に考えてみましょう。

当然離婚しないのがベストなので病院へ

離婚したくてたまらないのであれば仕方がありませんが、セックスを拒否する側が病院に行くのはとても妥当な手段です。 セックスレスになる原因は身体の疲れや心の疲れに問題がある場合が多いのです。 特に女性の場合だと産後鬱だったり、男性の場合も結婚すると家庭を持つという重大な荷を課せられるために鬱になったりすることがあります。女性も男性も鬱が原因で性欲がなくなりセックスレスに発展する場合があるのです。 覚えがある場合はすぐに離婚を考えたりせず、まずは病院へ行って解決策を探しましょう。 抗鬱剤を飲んだり、カウンセリングを受けることで症状が軽くなったり、完治して元の関係を取り戻せる場合もあります。

最後の手段としての弁護士

それでも、もうどうしようもないと思った時に弁護士を使いましょう。ただし、実際はかなり高額です。 弁護士に相談する場合の費用ですが、離婚調停の場合は全国平均は60.7万円。この金額は地域によって異なります。その他、着手金や報酬金が発生することがあります。慰謝料を取れたとしてもそのうちの4割くらいは持って行かれるイメージをしておきましょう。

記事の内容は、法的正確性を保証するものではありません。サイトの情報を利用し判断または行動する場合は、弁護士にご相談の上、ご自身の責任で行ってください。

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